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「朝鮮人虐殺はなかったこと」にする動きに危機感 アーティストらが「行政による人権侵害」考える会を発足
2024-08-23 HaiPress
群馬県による朝鮮人労働者追悼碑の撤去、東京都人権部による関東大震災時の朝鮮人虐殺に触れた映像作品の上映不許可…。こうした問題を「行政による人権侵害」と捉えて考える会が発足した。問題の現場を訪れて勉強会を重ね、行政と市民に「共に生きること」を問いかけていく。
記者会見する(左から)金範重さん、飯山由貴さん、宮﨑理さん=東京・霞が関の厚生労働省で
都が上映不許可とした、関東大震災時の朝鮮人虐殺に触れた作品「In-Mates」を制作したアーティスト飯山由貴さんらが22日、東京都内で記者会見し、発表した。「行政による人権侵害を考える会・関東」というグループで、大学教員やフリーライターら6人で結成した。
飯山さんは「行政や行政職員が主体となり、人権、人間の存在をあまりにも軽んじている状態が続いている」と指摘する。小池百合子都知事が関東大震災で虐殺された朝鮮人犠牲者を追悼する9月1日の式典に追悼文を送っていないことに触れ、「このことがなければ、上映不許可は起きなかったと考えている」と話し、歴史を否定し「なかったこと」にする動きに抵抗することの重要性を訴えた。
◆行政による線引きが問題
朝鮮学校への補助金不支給を続けている埼玉県に支給を求める埼玉朝鮮学園理事の金範重(キンポンジュン)さんは、「県の担当者からは補助金再開は『県民の理解が得られない』と言われる。少数だから侵される人権の問題を多数決の論理でやるのは間違っている」と強調した。
明治学院大の宮﨑理(おさむ)准教授(社会福祉学)は「私たちと『あの人たち』とを分ける、行政による線引きが問題の地続きにある。会の行動を通じて、皆さんと考えていきたい」と話した。(小川慎一)
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