将棋の第95期棋聖戦5番勝負を制し、史上最年少で「永世棋聖」の資格を獲得した藤井聡太棋聖(22)=七冠=の就位式が28日、東京都内で開かれた。藤井棋聖は「棋聖戦の対局を通して成長できたことは感慨深い。よりいっそうの研さんを積みたい」と謝辞を述べた。
◆羽生会長「棋聖戦だったのが意義深い」
永世棋聖の資格を獲得し、就位式で謝辞を述べる藤井聡太棋聖
6~7月に開催された5番勝負で、山崎隆之八段(43)の挑戦を受け、3連勝でタイトルを守った。「力戦の得意な山崎八段との5番勝負で、序盤から経験のない展開が続いた。予想していない手を指されることも多く、将棋の面白さ、奥深さを感じながら対局することができた」とシリーズを回顧。「どの将棋も難しい局面が多かったが、全体を通して集中して指すことができ、充実感のあるシリーズだった」と語った。
藤井七冠は2020年、史上最年少の17歳11カ月で初タイトルの棋聖を獲得。そのまま無傷の5連覇で、棋界最高の栄誉である永世称号まで到達した。自身も7つの永世称号を持つ、日本将棋連盟の羽生善治会長は「藤井さんの活躍を考えれば永世称号の獲得は時間の問題だったが、初タイトルである棋聖での獲得というのは意義深い」とたたえた。
脇田菜々子女流初段(左)から花束を贈られた藤井聡太棋聖
永世称号の獲得を祝し、同じ愛知県出身の脇田菜々子女流初段(27)から花束が手渡されたほか、特別協賛のヒューリックから着物仕立券300万円分も贈られた。
藤井七冠は7~8月の王位戦7番勝負(東京新聞主催)で5連覇を果たし、「永世王位」の称号も得ている。(樋口薫)
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